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博士学位論文「グローバル世界における〈場所〉と創発の社会学
―グローバルな空間編制とアジアの地域住民組織」

グローバル世界における〈場所〉と創発の社会学

2007年3月。東北大学文博第250号 審査委員:吉原直樹、正村俊之、長谷川公一、永井彰、野家啓一。1,300枚。

目次

第 1 部  グローバル世界における〈場所〉創発の社会学
―〈場所〉の多次元的創発に向けて―

序 論  実証的社会科学の脱近代的再定式化に向けて  21
―〈場所〉の創発社会学の基本前提―

  1. 緒 論―近代的構制の融解
  2. 社会科学の二つの次元―実証主義/構築主義の境界を越える
  3. 結 論

第 I 章 グローバル化とシステム論社会学の展開  31
―グローバル/ローカルを越境する〈場所〉―

  1. 緒 論―グローバル化・生気論・複雑性
  2. システム論社会学と複雑性理論の展開
  3. カオスと複雑性―秩序/無秩序の二分法を超える「実在性」
  4. グローバル複雑系の社会学
  5. 結 論―グローバル/ローカルを越境する〈場所〉

第 II 章 〈場所〉と創発の社会学の方法論  47
―ネットワークとスケールの並立による〈場所〉の多次元性―

  1. 緒 論―グローバル複雑系社会学の問題
  2. 社会学的創発理論小史
  3. 第三世代システム論とシンボリック相互作用論
  4. 「心の哲学」における非還元論的個人主義創発論
  5. 個人/集合主義、批判的実在論の検討
  6. 第三世代システム論による創発理論の骨格
  7. 〈場所〉の創発社会学の方法論的枠組み
  8. 結 論―〈場所〉の無根拠化による根拠化

補 論 制度儀礼から非制度儀礼による〈場所〉の創発へ  89
―メアリー・ダグラス象徴人類学及び後期ジンメルの批判的検討―

  1. 緒 論
  2. 境界論の本義
  3. ダグラスの儀礼擁護と創発の社会学との異同
  4. 非制度的創発としての儀礼世界へ―リスク論の視点から
  5. モナド・価値・生成―後期ジンメルと「生活の社会学」
  6. 結 論―制度儀礼の裂開と新たな再帰性

第 2 部  日本の地域社会の変容
―〈場所〉創発の政治学―

第 III 章 地域住民組織の制度論的転回  125
―町内会による〈場所〉の制度的構造化の限界―

  1. 緒 論―町内会論と創発の社会学
  2. 都市空間にみる〈場所〉の変容とコミュニティ
  3. 町内会の構造―創発力学の動因
  4. 町内会の機能―創発力学の媒介項
  5. 町内会長とその代表性(representativeness)
  6. 結 論―フレキシブルな創発の論理に向けて

第 IV 章 言説による〈場所〉の交響的創発  171
―開発・「まちづくり」・公共私―

  1. 緒 論
  2. 開発レトリックと社会空間の変容
  3. 〈まちづくり〉なる言説がもつ創発メカニズム
  4. 〈まちづくり〉のレトリックと公/私の動態性
  5. 結 論―大文字の公共性を離れた共同の創発

第 V 章 表象/象徴による〈場所〉の協同的創発  193
―制度/非制度の境界―

  1. 緒 論―〈場所〉の表象と共同性
  2. 事例対象地の歴史的背景
  3. 〈場所〉をめぐる制度的活動
  4. 〈場所〉をめぐる非制度的活動
  5. 結 論―いくつもの〈場所〉をつなぐ連帯に向けて

第 3 部  アジアにおける〈場所〉の動態
―開発・グローバル化・ポストコロニアリズム―

第 VI 章 協同的創発と交響的創発による〈場所〉のせめぎあい  209
―バリ島における「開発と文化」―

  1. 緒 論―〈場所〉と「開発と文化」
  2. 〈場所〉の開発と〈場所〉の文化―内発と外発の二分法を超えて
  3. コロニアリズムによる〈場所〉の創発
  4. 「観光のまなざし」による〈場所〉の創発
  5. せめぎあう〈場所〉の政治学―ポスト・スハルト期の分権化の影響
  6. 小 括―〈場所〉の文化の「開発」とは?

第 VII 章 ポスト開発主義期における〈場所〉の制度性の変容  221
―バリ島南部観光開発地域の事例から―

  1. 緒 論―バリ島における地域住民組織
  2. 事例対象地の歴史地理
  3. 黎明期の地域開発―デサと〈場所〉
  4. 80年代不況のインパクト―〈場所〉の創発からの離床と復帰
  5. 変容する観光開発と地域社会のいま―〈場所〉のズレ
  6. 結 論―変わらない〈場所〉
    資料I~III

第 VIII 章 グローバル化の境界と〈場所〉の創発  273
―マカオの地域住民組織「街坊会」の場所性―

  1. 緒 論―マカオの境界性
  2. グローバル・ネットワークとマカオ―デュアリティの由縁
  3. マカオのコロニアル化
  4. 街坊の基層をなす場所性
  5. 街坊会の成立と新たな場所の〈創発〉
  6. 返還を前にした街坊会―連合総会の設立による〈場所〉の規定
  7. 返還後の街坊会の位置
  8. 結 論

終 章 グローバルな貧困とローカル・レギュラシオン  295
―越境するローカル・レギュラシオンの創発―

  1. 緒 論―ここまでの本論の議論を振り返って
  2. モダンかポストモダンか―グローバル資本主義の分析軸
  3. スラムの惑星
  4. 幕 間―ジャカルタの場合
  5. 「近代」とメタ・ナラティブの方法論的限界
  6. 新自由主義に対する規制とレギュラシオン
  7. フラクタル空間によるレギュラシオン
  8. グローバル世界の経済地理とレギュラシオン
  9. 結 論―脱領域的な場所の政治学に向けて